うさどん

女のみづうみのうさどんのレビュー・感想・評価

女のみづうみ(1966年製作の映画)
2.8
本日の巣ごもり鑑賞。
川端康成『みずうみ』が原作、というよりも『みずうみ』での脇役的登場人物・水木宮子(岡田茉莉子)の目線で、小説では主役の桃井銀平(露口茂、映画では桜井銀平となっている)を脇役に置いている。

ストーリーも、原作には無い「不倫写真のネガが入ったハンドバッグ(原作では多額の現金と通帳の入ったハンドバッグ)」を奪われた女(宮子)と奪った男(銀平)との片山津温泉での物語。

また、作りとしてはサスペンス調を感じさせる部分もあるが、終始、宮子の心理的ドラマとして貫かれている。

このため、川端康成の描く「みずうみ」の意味合いがかなり変わってきており、『みずうみ』原作というよりも、『みずうみ』にヒントを得た映像作品という感じ。

ただ、白と黒、光と影の対比する画面とカメラの鋭い切り替わりが作り出す緊迫した映像はお見事。
内容というより、映像が楽しめる作品だった。