矢吹健を称える会

硝煙の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

硝煙(1956年製作の映画)
3.9
 見た後にクリス・フジワラの評を読んで、いろいろと腑に落ちたというか、なるほどなあと思ったのだが、――まああれは一種の文学的読みとしても、かなり異様な作品であることは間違いない。異様に暗い。
 レイモンド・バーの身体のデカさには驚いた。彼が一夜で全財産を失うという展開もすごいが、終盤で彼のバーが――駄洒落じゃない――出てくるときの暗さといったら堪らない。そしてそのシーンを頂点に、ジャック・ターナーの演出は素晴らしく面白い。