健一

トゥルー・クライムの健一のレビュー・感想・評価

トゥルー・クライム(1999年製作の映画)
3.5
'90年に公開された「ホワイトハンター ブラックハート」から今年1月に公開された「リチャード・ジュエル」まで イーストウッド監督作は 全て(?)劇場にて観賞しています! ?

この作品以外!!!!!

あぁ〜〜。ちきしょーー!
我が映画人生最大の汚点!

本作は'99年の年末年始にかなり小さな規模で劇場公開されたのですが、'99年の年末年始は めちゃくちゃ仕事が忙しくて どーしても観に行けなかった。仕事が落ち着いた頃にはもう公開が終わってしまっていて・・・
なのでずっと心の奥に突き刺さった トゲ のような作品だったのですが 今回WOWOWにて放送してくれたので鑑賞。

これがまた凄く いい作品 ときたもんだ。 益々悔しくなった。

24時間後に死刑が執行される死刑囚の男。
だが彼は最後まで 身の潔白を主張している。
愛する妻と幼い娘が 彼を訪れ最後の時間を過ごす。娘は 何故父と会うのが今日で最後なのかまだ理解出来ない。
イーストウッド扮する新聞記者は『己の勘』を信じて生きていた男。
死刑執行まであと12時間。男の『勘』がはたらく!
『この男は無実だ!』と。
刻一刻と時間が迫る中 ギリギリまで男は 無実を立証する為 証拠を集め、老体にムチ打って 夜の街をさまよう。

『今から死刑になる男の無実を 半日 で晴らす』
というかなり無謀な設定だというのに 全く緊張感が途切れずに一気に進んでいく。
無駄なシーンを極力排除し 徐々に高揚感を上げていくこの演出のうまさはさすが!
この 有り得ないストーリー を見応えたっぷりのクライムサスペンスに仕上げている。

相変わらずキャスティングも上手く 死刑囚を演じたイサイア・ワシントン、編集長を演じたジェームズ・ウッズの2人が それぞれ『氷』と『炎』の演技をしていて物語をうまく対比させている。
ラスト近くで当時 駆け出しの女優 だった「チャーリーズ エンジェル」のあの人もワンシーンだけ出てました。

超一級品のサスペンス映画なのは間違いないが、個人的に唯一引っかかったのは 相変わらずイーストウッド演じる男が『女性にモテモテで女ったらし』という設定だということ。
でもさすがにこの作品ぐらいで卒業かな?
'70〜80年代のイーストウッドキャラの『女性にモテモテな描き方』にはかなりウンザリしていて『この作品でもか。懲りないなぁ』と思っていたのだが、前半部分だけだったので。
『俺が悪かった。』と色んな人に謝罪していたし。
この作品はイーストウッドの 贖罪 のような雰囲気も勝手に感じてしまった。
とは言え ラストは聡明。
素敵なラストでジーンときてしまいました。

イーストウッド監督作の中では知名度は低い作品ですが、当たり外れの激しい監督作の中では良作の部類に入る作品だと思います(見逃したくせに何を生意気な)。

ちなみに
本作は都内では『銀座シネパトス』という小さな映画館でのみ公開されたのですが 本作公開時のときだけ何故か『銀座シネマシンガンズ』という館名に変えて公開していました。

何の意味があったの?
イーストウッド イコール マシンガン って印象?🤔



😷コロナパンデミック中に鑑賞😷
健一

健一