Ryan

トゥルー・クライムのRyanのレビュー・感想・評価

トゥルー・クライム(1999年製作の映画)
3.7
映画史上最も大忙しな1日の物語


ストーリー
地元の新聞記者エベレットは服役中の死刑囚に死刑執行前の最後のインタビュー取材を行うことになる。


監督・主演 クリント・イーストウッド



面白い。
イーストウッドの作り上げる不穏な雰囲気と人種を描いた物語が上手く噛み合わさり唯一無二の映画と化している。
終始ハラハラドキドキ。当時の"昭和感"溢れる映画は今後作られることはないだろう。今作はそんな昭和感がありながら、あくまで仲間はずれの白人と死刑囚の黒人という人種の壁をリアルすぎず映画風に見事落とし込まれている。

物語はたった1日の出来事を描いているのだが、それが予想以上に面白い。
そんな訳ないじゃん!って展開もあるがあくまで事件を通じて孤独な新聞記者の物語が描かれ、こんな風に自分はならないしなりたくないって言う気持ちと彼だからこの選択をしたのだなという納得感がある。
終始面白いが、終盤が弱めなのでそこが残念。もう一捻りがあったら最高だった。

クリントイーストウッドのオハコな役なのでやっぱり上手い。大体刑務所の人間を嫌な風に描くのが映画の定石だが、内容が内容なだけにそこは忖度されていたのかも。
それでもちゃんと嫌な奴が出てきてイーストウッドの心理的なものが垣間見える。

グラントリノはあまり好きではなかったが、今作は丁度観やすかった。
Ryan

Ryan