あさのひかり

素敵な歌と舟はゆくのあさのひかりのレビュー・感想・評価

素敵な歌と舟はゆく(1999年製作の映画)
4.1
パリとその近郊に住む富豪の家を舞台とした群像劇。

何てことない場所でもパリは絵になる。貧しい青年でも羽振りよく振る舞ったり、裕福な青年でも質素ななりでバイトしたりしたらそんな風にしか見えなくて、街は大きな舞台装置、とか思った。その場でそれらしく振る舞ったら、本当は違っていてもそういう役の人になる。それぞれに目的があってそんな風に振る舞ってはいるのだけれど。

登場人物たちが意外な形でつながってて、外から見てる側としてはそこが面白みというか。舞台装置から見えない部分で本来のその人の姿が見えたり、あの人達があんな形でニアミスしてるけど、会っちゃったら全然話変わっちゃうのに!とか。

昔の作品の割に、気軽に見れる作品だと思うけど、この形でしか表現できない人間という存在の表現が深いと思う。

あとは、鳥の存在感と犬のかわいさ良い。
あさのひかり

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