shishishi

ボディ・ダブルのshishishiのレビュー・感想・評価

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)
3.9
ヒッチコックオマージュをここまで俗悪で無邪気にやり通しちゃってるんだからデパルマはやっぱりすごい。タランティーノですら、ここまではあからさまにはやれない。やれたとしても出典はかなりニッチな部分に留まっているわけで、まさかヒッチコックの、しかも裏窓×めまいで一本のフィルムを完成させてしまう無鉄砲さ、、、しかも謙虚なことに、"耽美さ"をしっかり引いているあたり、非常に聡明な不良映画作家である。
音楽なんかもう、ウソだろ、と思うくらいにダサい。かけるタイミングが本当にダサい。
序盤の商業施設の追いかけっこのシーンなんか、とにかく対象との距離が近い。バカじゃないの、と思うくらいに近い。とはいえ殺しのドレスの美術館シーンと同じく、なんだかゾクゾクするものはある。歩く2人と足音のみで展開されてゆくあの時間は、あぁ映画だ、と悔しいながら感じてしまう。
女が殺される小道具は急にも程があるぞ。本当にアホなダイナミックさ。怖いけど。また人を喰ったような空間の使い方も大変は愉快。
後半の種明かしは少々退屈。がしかし、メラニーグリフィスの"声"がかなり救っていることは間違いない。
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