TaiRa

ロード・オブ・ザ・リングのTaiRaのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)
-
劇場で観るの20年ぶりくらいなので感慨深い。ど真ん中世代なので贔屓にしちゃうシリーズ。

改めてあの頃のピーター・ジャクソンがこの規模の映画を3本まとめて製作できた事のヤバさを痛感する。ニューラインにとっても完全なギャンブルだった訳でよくやったと思う。今観ても古びないのはアナログ特撮と視覚効果のバランスが良かったから。遠近法使った撮影やら巨大ミニチュア(スタッフはギガチュアと言ってたらしい)を使った撮影が実物感を担保しているから、「昔のCG」に冷める瞬間がほとんどない。スクリーンで再見すると遠景で走ってるキャラクターがCGだったりするのが分かったりもしたが。当時のWETAの技術は、特に次作以降の大戦場面で顕著だけど相当衝撃的だったの覚えてる。CGのモブがバラバラに動いてるのが凄いって時代。自分の作りたい物作るためにスタジオ作ったり、最新技術開発して映画界ごと変えちゃう作家なんて、ルーカスとキャメロンとピージャクくらいしかいない。技術面がどうでも良くなるくらい圧巻のニュージーランドロケーションもこの作品の勝ちに貢献してる。自然が凄い、の一点押し。ピージャクがそもそも器用な監督ではないので、アクションシーンは特別上手いとかではないし、手ブレ撮影と細かいカットで誤魔化してるとこは多い。良くも悪くも00年代的なアクション演出と言えるかも。戦闘の合間にキャラ付け描写入れたり、ここぞという時のケレン味の出し方は流石だなとは思う。『旅の仲間』って題だけど、映画のちょうど半分(90分くらい)でやっと仲間が結成され、結局それが解散して終わるっていう変な映画。初めて観た子供の時、三部作って知らなくて「ここで終わんの!?」って思ったの覚えてる。
TaiRa

TaiRa