ほーく

ロード・オブ・ザ・リングのほーくのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)
3.9
【重厚長大】
私の好きな言葉です。

邦題「ロード・オブ・ザ・リング」
原題「LORD OF THE RING」
評者 ほーく  
評価 4
ひとこと 重厚なファンタジーの名作が今ここに。

<コメント>
 まあ、書き出しはステレオタイプにならざるをえない。つまり、「ハリー・ポッター」のベストセラー化及びその映画化を背景に、あのJ.R.R.トールキン原作のファンタジー小説の代表格「指輪物語」の映画化の決定、しかも3部作同時に撮影、「ハリー・ポッター」@映画版の爆発的ヒットの余勢を駆っての上映スケジュール、まさに計算ずくめである。
 今のところは、まずまずの成功と言えるだろう。問題は次作の観客動員だが、「ハリー・ポッター」シリーズのほうがもっとギャンブルであろう。
 まず、いわゆる原作と映画版との比較は今回は行わない。なぜなら、まだ読んでいないから。そして、これはあくまでも3部作としてとらえるべきであろうから、評価は甘めになることもお許しいただきたい。
 まずは映像から。とにかく、舞台は完全に異世界である。この世界観に観客をいざなうことが重要な導入部である。豊かな緑に囲まれたホビット族の集落、モノクロで重厚感を全面に押し出した戦闘、不気味なサウロンの存在感、それはありがたいことに、まさに大河ドラマを意識させるに充分なオープニングであった。
 3時間半に及ぶこの第一部。エンディングがエンディングなだけに、消化不良である方もいるだろう。しかし、わたしはここまで丹念に世界を描いてくれたことを感謝する。ストーリー展開を急げば急ぐほど、言葉で説明せざるを得ず、それは小説に及ばないこと必定である。映像の強み、それはあくまでも音楽と映像で表現することである。大河ドラマという道を選んだ以上、それは徹底されるべきであり、中途半端に手を抜くとそれは致命的となる。わたしは、その姿勢を支持する。また、3部作同時に撮影ということでその制作姿勢が一貫されたことは喜ばしいことである。
 キャスト陣に関しては、イメージを損なうほどのミスキャストはないように感じた。まあ、ホビット族の描写を好むかどうかはそれぞれということだろう。どちらかと言うと、ステレオタイプな種族イメージを優先してキャスティングしたというところだろう。
ほーく

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