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西部の王者のHKのレビュー・感想・評価

西部の王者(1944年製作の映画)
3.5
実在の西部のガンマンの中でも名前以外はあまり知らなかったバッファロー・ビル関連の映画を3本立てで観てみました。どれも初見です。
まず1本目。原題はズバリ“Buffalo Bill”。

1944年の戦時中の作品なのにアメリカ政府への批判も描かれており、当時の日本との差を感じます。
画面はスタンダードサイズ、モノクロだと思っていたらカラーでした。

西部で生まれ育ち馬や銃の扱いが上手く、インディアンと交流がある反面、軍とも深く関わりインディアン討伐にも参加、1860年代にバッファロー・ハンターとして名を上げ、一躍西部のヒーローになりながらも公の場でインディアンを擁護して人気を失う。
しかし1980年代には大規模な西部劇ショー(ワイルド・ウエスト・ショー)の興行主として成功したバッファロー・ビル・コーディの半生が描かれます。

意外だったのは、この時代の映画にしては前述したように当時のアメリカ政府のインディアンに対する横暴な接し方、スポーツと化した白人によるバッファロー狩りがインディアンの生活を脅かすとともにバッファローそのものを絶滅の危機に追いやった事実などがしっかり描かれていたこと。

コーディ役は当時の主に西部劇の二枚目スター、ジョエル・マクリー(当時39歳)。
結婚相手となる有力者の娘にモーリン・オハラ(当時24歳)
シャイアン族のインディアン“イエローハンド” 役は私が見た中で最も若いアンソニー・クイン(当時29歳)でした。
インディアンなのにコーディや白人の子供たちに学校で読み書きを教えていたクインの妹役リンダ・ダーネルの扱いはもっと掘り下げてほしかった。もったいない。

騎兵隊とインディアンとの戦闘シーンはもう戦争映画の迫力。
馬と馬のぶつかり合いや肉弾戦は日本の戦国時代の合戦に近い気もします。
後半とくにワイルド・ウエスト・ショーのあたりは駆け足でしたが、尺90分でよくここまでまとめています。
マクリーとオハラのウインク合戦が粋!
HK

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