よーだ育休中

ラッシュアワーのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

ラッシュアワー(1998年製作の映画)
3.5
在ロサンゼルス中国領事の娘が誘拐された。信頼する香港警察の腕利き捜査官を呼び寄せた領事だったが、誘拐事件の捜査にあたる連邦捜査局は余所者の介入を快く思わず、地元警察に警護とは名ばかりの御目付役を押し付ける。当初は侮辱だと憤慨していた警察署長であったが、署内のトラブルメーカーを追い出す口実に使えると思いつく。


◆ The fastest hand in the east.

ハリウッドの90'sアクション・コメディ作品というだけで期待値は爆上がり。90'sハリウッド作品というだけで好きなジャンルです。昔は地上波でも頻繁に放送していたと思うのですが、個人的『タイトルと主演は知っているのに観たとこがない』シリーズの上位ランカー(つまり脳内ウォッチリストの肥やし)だった『ラッシュアワー』。この度『香港映画見ようね会』の特別企画『ジャッキー・チェン生誕祭』の課題作品としてラインナップされていたので、ここぞとばかりに飛びつきました。XXXXXさん、本作を選定いただき、ありがとうございます!


香港返還前夜。香港警察の捜査官Lee(Jackie Chan)と英領香港政府の役人であるHan(Tzi Ma) は、Juntaoと名乗る謎の男が率いた有力犯罪組織が盗んでいた数多くの美術品を奪い返すことに成功します。

一方ロサンゼルスでは、LAPDのトラブルメーカーであるCarter(Chris Tucker)が独断で囮捜査を実施。爆発物の密売人を逮捕することは出来たものの『同僚を負傷させて証拠品を吹っ飛ばしてしまう』という停職処分もののヘマをやらかします。

香港政庁からロサンゼルスの中国領事へと出世したHanでしたが、新任地でJuntaoの部下であるSang(Ken Leung)らの手により、愛娘を誘拐されてしまいます。


ロサンゼルスを舞台に『ハミ出しものの二人が力を合わせて事件を解決する』という、良い意味でシンプル且つわかりやすいストーリー。頭を使わずに主演の二人の強み(JackieのアクションとTuckerのコメディ)を十分堪能できる作品に仕上がっていました。


◆ The biggest mouth in the west.

冒頭、埠頭でのアクションシーンとダイナー前での犯人逮捕のシーンとで今作のポイントである『Jackieのアクション』と『Tuckerの軽妙なトーク』が披露されます。シークエンスのラストを飾るC4爆弾の大爆発は、ド派手な物語スタートの合図の様でした。

第一印象が最悪な二人が、コミカルな会話やアクションを交えながら、共通の目的である誘拐事件の解決に向けて捜査を進める中で友情が芽生える王道のドタバタ・コメディでありバディ・ムービー。

流暢に英語を喋れるはずのLee刑事が『黙っていれば嘘を見抜きやすい』理論でしれっと英語が分からないフリをしたり。かと思えば、Carterの独自調査に着いて行った先で、爽やかに黒人さん相手に『Nixxxr』発言を連発して乱闘騒ぎを起こしたり。人種の違いを武器にしてJackieがコメディリリーフを担当する場面も見受けられました。アクションもコメディも器用にこなしていたので、作品の演出に少し厚みが出ていたと感じます。

C.Tucker演じる刑事Carterも、実はただの困ったやつではありませんでした。彼がコンビを組まずにスタンドプレーにばかり固執するのは『真面目な警官だった尊敬する父親が、どうしようもないバディのせいで命を落とした』という暗い過去を背負っていたからだと明かされます。シンプルなストーリーにほんのり深みが増しました。

主演の二人が得意分野だけを披露するのではなく、+αを加えることで作品としての質が高まっていたと感じます。取ってつけたように終盤でヒロイン?が出てきましたが(心の声自主規制。)ヒロイン不在でも十分楽しめるエンタメ作品でした!


𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄

本日は香港を代表するアクション・スターであるジャッキー・チェンのお誕生日。ということで、僭越ながら XXXXXさんの『香港映画見ようね会』特別企画『ジャッキー生誕祭2023』に便乗させていただきました!

主催のXXXXXさん、同時鑑賞されたフォロワーの皆さま、ありがとうございました!

ーHappy Birthday, Jackie!!