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超音ジェット機のmkmのレビュー・感想・評価

超音ジェット機(1952年製作の映画)
4.0
学生時代に吹奏楽部員として演奏した劇伴がどんな場面で使われているのか知りたかった。
空中のシーンは自分が音から想像した映像よりもずっとずっと綺麗で、カラー映像よりも鮮やかでした。

日本語版wikipediaにほとんど情報がないので、どんな作品なのか簡単に書いておくと、戦後のイギリスで超音速ジェット機を作るまでの紆余曲折を描いたお話です。

飛行シーンはもちろんのこと、空から見下ろした地上も、ジェット機の風で煽られる小麦畑、海岸などの風景はどれも美しく、何度でも見たくなります。
マルコム・アーノルド作曲の劇伴は間違いなくこれらのシーンを引き立てる要となっていました。3拍子のテーマは優雅で浮遊感たっぷり。大空を思わせるような壮大なテーマも、暗雲立ち込めるような重々しいテーマも、それぞれのシーンを強く印象付けるために無くてはならない重要な要素に感じました。

ところで、劇伴以外の事前情報が無かった私は、このストーリーは誰が主人公なのかずっと誤解していました。一番始めに登場した、いかにも主人公顔したイケメンが主役かと思ったら友人の方が主役。と思ったらそれも違っていたようで、最後の最後で本当は誰の物語だったのかということを理解しました。話の運び方に思わず唸りました。

難点として、英語版wikipediaによると専門的に見て正しくない描写があるそうです。昔の映画かつフィクションということで許容できない場合はあまり作品入り込めないかもしれません。
それでも!空撮映像だけでも見てほしい!

中学生か高校生で「狂詩曲サウンド・バリアー」を演奏してから10年以上が経ち、急に思い出して調べてみると、なんとアマプラで配信されていました。良い時代になったものです。やっとあの日の答え合わせができました。感無量。
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