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冬の日のchikichikiのレビュー・感想・評価

冬の日(2003年製作の映画)
3.8
松尾芭蕉の芭蕉七部集の『冬の日』を題材にした、国内外で活躍する35名のアニメーション作家による連句アニメーション。

→ちなみに"連句"をめちゃくちゃざっくり説明すると、長句(五・七・五)または、短句(七・七)で表現された相手(前の吟者)の言葉の響きや雰囲気を受け継ぎつつ、自分の自由な発想で次の言葉を繋げていくモノのことです。

この形式に則って、作家1人ずつが独自の解釈と手法を用い、リレー形式で一句ずつをアニメーションで表現するというコンセプト自体が非常に面白い。

なんだか、言葉で説明すると難しそうな内容ですが、前句と後句の二句間を繋ぐ"個々の自由な発想"の部分アニメーションとして表現する一方で、字幕で表示されるそれぞれの句よって"共有する精神"の部分を補うスマートな構成になっていて、非常に分かりやすい作品に仕上がっておりました。

また、一つ一つの作品に作家それぞれのイマジネーションが炸裂しており、とっても贅沢な詰め合わせといった印象の作品でした!!

なかでも、物語の冒頭(発句)を飾った、ユーリ・ノルシュテインの作品の観る者を一気に惹きつける世界観は流石だなぁーと思いました!!
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