名無し

サンゲリアの名無しのネタバレレビュー・内容・結末

サンゲリア(1979年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

グロくて汚くて最低なゲロカスゾンビが出てくる大傑作イタリア映画!!

冒頭の大都会の港に無人の船が漂着するシーンからもう緊張感がヤバい…!
警察が船内を捜査してると突然飛び出してくる謎の死体!!
ロメロゾンビのような愛嬌ある『死人』ではなくただの『歩く腐乱死体』とでもいうのか…
有機物の塊にしか見えないぐっちゃぐちゃの汚い物体がゆっくり人間を喰い尽くす
ジョジョの荒木飛呂彦先生がサンゲリアを大絶賛して考察してたけどイタリアって国は死体と常に隣り合わせな世界観らしく昔からグロや痛みをテーマにした『ホラー絵画』(カラヴァッジョとかの絵画)が多数作られていてその延長がこのサンゲリアだとか…!
さすが荒木先生!俺たちにできない考察を平然と(略)
実際真実味あって…そもそも『グロ』って言葉自体が古代ローマ由来のイタリア語なので
イタリア人がグロやスプラッター映画に強いのは歴史が証明してる
コロッセオも人間が虎に惨殺されるのを見物する悪趣味エンタメだったし
もはや国が誇る歴史的文化

このサンゲリアも嵐のように次々と巻き起こる悪夢じみたショックシーンの連続で
蛆虫だらけの腐乱ゾンビや首をかじった時に神経組織みたいなのがビローンって伸びるのとか、ほったて小屋みたいな汚ったない教会、死体喰い荒らすゾンビ、橋で列を作って都会へ侵攻するゾンビ軍団とか…
一番ヤバいのはゾンビに頭を掴まれて『眼球串刺し』になる場面!ゆ〜っくり目に木片が突き刺さるという…史上最悪なシチュエーションは未だに直視できない痛々しさ…
あまりゾンビ関係ないグロシーンなのもあって一層際立ってる
それからゾンビvsサメ!!
物語に全く関係なくいきなりサメに襲われる主人公だが、そこに偶然居合わせた潜水ゾンビがサメと闘うという無茶苦茶な展開へ!
しかも本物のサメで撮影してるという
サメとゾンビへの虐待では…?

ゾンビ化前の生活観がそのまま残ってる近代感あるロメロゾンビと違い
サンゲリアは400年前の死体が蘇ったり、ゾンビ化の原因がブードゥ教の土着文化にあったり歴史を感じさせるオカルト要素が多いのがイタリアっぽくて個人的に好き
400年前の腐乱死体の頭カチ割ったら中から血がドバドバ出るのとかツッコミどころあるけど…笑
地獄の戯画的作品なので物理法則を突っ込むのはナンセンスなのだ
名無し

名無し