チッコーネ

サンゲリアのチッコーネのレビュー・感想・評価

サンゲリア(1979年製作の映画)
3.2
原題はジョージ・A・ロメロの続編を勝手に名乗った『ゾンビ2』、しかし大ヒットの実績もある作品。
都会ではなく南の島が舞台となった『トロピカル・ゾンビ映画』でもあり、美しいロケーションが開放的。
熱帯気候のデメリットである「腐敗の進行しやすさ」が、全編に不快な影を落としてもいる。

中盤の『ジョーズ VS ゾンビ』の水中場面はあまりの意外性に脱帽、よくあそこまで鮫を調教できたものだと感心する。
美女の目に木片が刺さる場面は残虐だが、その直前のシャワー場面は照明が美しく、褐色の肌がブロンズのように輝いていた。
土壌から蘇る腐乱死体の目や口には蛆や線虫が蠢き、リアリティたっぷり。
炎に炙られながら演技を続けるゾンビエキストラたちの活躍もすごい。
欲を言えば音だけでなくブードゥーの儀式を絵で魅せ、異国情緒をさらに盛り上げて欲しかったところ。

イアン・マカロックはもちろんエコバニの彼でなく、後頭部の禿げた魅力に乏しいおっさんだった…。