うにたべたい

釈迦のうにたべたいのレビュー・感想・評価

釈迦(1961年製作の映画)
2.8
仏教の開祖・釈迦の生涯を描いた映画。
大映の社長であり、熱心な日蓮宗徒である永田雅一が、"日蓮と蒙古襲来"に続く仏教映画として総制作費なんと5億円費やして作られた大巨編。
当時の評判も海外を中心にかなり良かったらしく、配給収入7億円を超える超大ヒット作となったそうです。

シッダールタの誕生から入滅までを描いた内容ですが、途中から信者のサイドストーリーとなり、後半からブッダの出番は少なくなります。
誕生後間もなく「天上天下唯我独尊」と発言したシッダールタは、王族として生まれ恵まれた生活に疑問を抱き、出家する決意をします。
その後、菩提樹の下でマーラの誘惑に打ち勝ち悟りを開くのですが、それ以外はブッダの有名なエピソードはあまり使われません。
四門出遊の故事であったり、王城を抜け出して出家を決意したエピソードなどはなく、息子であるラーフラも登場しません。
ブッダの行く手を阻む存在として、ディーヴァダッタが起用されており、あろうことかディーヴァダッタがヤショダラーを強姦し、それが元でヤショダラーが自害するという凄い改変をしています。
そのため、本作はインドを初めとする仏教国には非常に非難されることになりました。
ブッダが主人公ですが、本作でその生涯を学ぼうとすると後々困ることになると思います。

先述の通り、ブッダの出番は前半までで、後半からは信者のストーリーがメインです。
その内容も元ネタはあると思うのですがオリジナリティが高いもので、正直なところ、この話いるのかな?となりました。
2時間半超える長い作品の中で、あまりストーリーと関係ないようなサイドストーリーが始まり、途中でブッダが置いてけぼりになっている感じがあります。
途中退屈を感じるところがあり、なかなか長い2時間半でした。

特撮のシーンはラスト近辺で、大迫力でしたが、このシーンのために見るにはキツいものがあります。
悪くは無いけど微妙ですね。
アナンダも特に美男子というわけでなし、もう少し史実を意識して作ってくれたら良かったのにと思います。