本来ならフレディ・マーキュリー命日に「ボヘミアン・ラプソディー」を観る予定だったが、この三連休は風邪をひいてしまい大事をとって家でおこもり良造してました。
というのも木曜日の晩、ちょいと寒かったのでエアコンつけて寝床についたのだが、夜中にあまりに顔が冷たいのとお腹が痛いので目が覚めて、よく見たらエアコンが除湿冷房になっていましたとさ、チャンチャン!
で、休日はずっと寝ながらDVDをちょこちょこ観ていた。アトランダムに。
まずは昭和12年、清水宏監督の児童映画「風の中の子供」。
原作は児童文学の大御所の坪田譲治。
出演は、河村黎吉と吉川満子と坂本武、そして岡村文子と松竹の第一級の助演スターが勢揃いしている。
そして子役たちは、爆弾小僧にアメリカ小僧に突貫小僧と……まるで妖怪でそんなのいそうな名前ばかり(笑)
この中で昭和・平成と息長く活躍したのは元祖の突貫小僧こと青木富夫ぐらいなのでは。
やんちゃ盛りの善太と三平の兄弟は、ある日、父親が私文書偽造の疑いで警察に逮捕されたことで、三平が親戚の家に引き取られてしまい別々に暮らすことになる。
三平は引き取られた先の庭の木によじ登って自分の家がある方角を眺め、片や兄貴の方は誰もいない家の中でひとりでかくれんぼをして寂しさを紛らすのだった。
……というあらすじ。このひとりかくれんぼがかなり切ない。
自分自身で「もういいかい?」「まあだだよ」「もういいかい?」「もういいよ」と繰り返すこのむなしさが胸を打つ。
清水監督は同時代の小津監督のようなエキセントリックさは抑えていて、あの写実的なあたたかみのある演出が魅力的のように感じる。
ラストの「お父さん」連呼もホンワカしていて好きである。
本筋とはずれるが、三平を引き取った叔父さん(坂本)が山村の医者なのだが馬に乗って往診するシーンがある。
私事で恐縮だが母方の祖父が戦前、宮城の山奥で医者をやっていて、馬で往診していたという話を聞いたことがあり、ああお爺ちゃんもこんな感じで回っていたのかしらとふと頭によぎった。
■映画 DATA==========================
監督:清水宏
脚本:斎藤良輔
音楽:伊藤宣二
公開:1937年11月11日(日)