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通り魔の告白 現代性犯罪暗黒篇
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『通り魔の告白 現代性犯罪暗黒篇』に投稿された感想・評価

矢吹

矢吹の感想・評価

3.8
年末なので、全部忘れるために、
メモ「多重魂」「撥体」4

完全に、ポルノ作品のタイトルなんすけど。
劇映画です。
ピンク映画になる可能性もあったけど、劇映画でしょう。
やり過ぎれば、都合が良すぎれば、
嘘つけーって笑いになるらしい。ありがとう。
カラーが吹き込まれる感じは、泥棒日記か。
レインボーパーキングみたいなやつ。
新宿です。これもあった。

理由はない。掛け違え?
未来のことを考えない男。
人生を棒に振るとか、そういう思考がない。
人の痛みを想像できない。
強姦か、または、全てのSEXは小さな強姦を含む。
覗くシーンは、素晴らしい。
陰湿な目を作り出す化物、若松孝二。

こんな馬鹿げた話が、こんなに美しくてはダメだ。と言ってやる。

犯罪の中にならぶ、ランキングに入る感覚の新聞紙。
川辺。血の中の波。

俺みたいなやつがやってるとは思わないだろう。
みんなやってるんだなあ。

普通に、お母さんって叫ばれたらもうダメでしょう。
バカにされたから、やってやった。
やってくれたから、お返しに。
あいつのせいだから、やってやる。

肉と肉のせめぎ合い、動物的快楽。
あれはsexの気持ちよさじゃないよ。
人を殺した快楽だけを覚えてしまったかもしれない。
ナイフをもらった、童貞。
女を知らないでしょう。

確かに、青春の、裏面であった。
青春伝説序論とは、
序論である。

時間の流れとは逆の流れに押し込まれる。

思い出ですか?
終わってから気づくのならば、すでにその死体こそが、青春だったもの。
青春だったモノだけが、青春なんだけどね。
本当はね。
序論である。自覚的な青春ですか?

言語的迫真的と、心理的煩悶。

エルとリサ。

過去と未来から同時にやられる。
永遠に続くと思っていた愛は終わり。

心の故郷のあるなしによって、
次の愛を、青春を?、待ち続けるのが、女か。
男なら、
走り出せ。世界の果てにたどり着け。
いつか来る跳躍のための、助走をつけろ。

新宿?紀伊國屋から、

仮面、言葉、愛、20世紀日本。

君の愛は戻ってきたが、復讐に違いない。
しかし、その復讐で死ねるのなら、それもまた。っていう、完璧な動き。瑞々しい。

死のうと思っても死ねない。
死んだフリはいつもしてるのにね。

抱き合うと、目が見えなくなって、
横にいる、青春の死を知らずに迎えてしまう。

一つの終わりと序論。
終わることを知ってからの態度次第では。
ここから青春の本論があるのかな。本当に?
この作品が、本論になるわけはないのだ。
✔『現代性犯罪暗黒編 ある通り魔の告白』(2.9p)及び『胎児が密猟する時』(4.1p)▶️▶️ 
 若松孝二は、ピンクや映画を戦略的というより、(片腕的協力者らと違い)事態の自覚なくはみ出していった巨大な表現者=パフォーマーだが(感覚的に云ってるだけで、実は若松個人や周囲の履歴を殆ど知らない)、そこからも更に鑑賞者の受け皿を無視の作品群が拡がってる。本人のアメーバのような貪欲な野望、寺の小坊主のような純真さの名残、のせいか、を思い知らされる。
 あらゆる才能を受け入れる柔軟な個性の持主。一応の枠内の作に於いても、極めて大胆な·商業映画というより小劇場アングラ的冒険作から、ブームや風潮に抵抗なく迎合·というよりその一歩先に突き進んだ作迄、実に幅広い。
 思いもつかない傾向の方へ、戻す。『~通り魔~』。当時都立大生の福間の資質をその儘·受け入れた様な内容·スタイルの作になってて、まるで学生映画の空気·硬質性を持っている。大人しくて秀才タイプの大学生の性への抑えられない高まりが、出歯亀や強姦腰砕け止まりから、そのうちの1人が学友で口止めに、身体と目をつけてた登山ナイフをくれた事から一気に取っ掛かり掴み突き進む、変わらぬ外形の日常を保ちつつ。積極的·かつそれまでの欲望通りに達するには(最初は偶々の)刺殺を併せる事の拘り、で。短絡的な進行と、その大胆さの話題に加わる自己の値定めの客観視。ズーム·どんでんや切返しや垂直取り·背フォロー移動·管弦音や川音·(儀式的)刺す執拗さ·あからさまライティング表情と内声、がきっちり収まり、テンポや激情は狂い立つ事なく、迷い·戸惑い抱えたまま進み、夢うつつの儘だ。高校並でまず映画では使われない福間在籍の旧都立大校舎も使われ、福間作品的にしている、足立·大和屋·沖島と変わらぬ扱い·尊重。このフレキシビリティは、原や後藤に対する大島以上だ。いや、何でもキャッチング、投げ返せる素直さか。
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 『胎児~』。この作で名高き若松孝二の映画を初めて観た。作家の代名詞的作は、時として作家理解の妨げとなり、この映画も、作家性を超えた、社会的芸術的エポックと見なされている。単なる時代への見事な批評や趣味的逸脱を超えて語られて来た。『東京物語』『~幻影』『~ケーン』『捜索者』『雨月~』『~ポチョムキン』『タクシー~』『ゴッド~~』『七人~』『暗殺の森』『2001年~』『絞死刑』『ブレード~』『~ディールマン~』『~ラザロヴァ』らと同類で、こっちも名声に惑わされ·観た丈の観も。これらは優れてるかは未だよく分からない。B級のいくつかには明らかな映画的忠実度·極みが、これらにはよく分からない(1976年のカンヌ最高賞作は、素人目にも映画としては不出来と即座に思ったが、そこしか見れない者は馬鹿だとも教える。また、いつも映画的コクあり·よく出来た、マフィアもの火付け作等の作家の作は、実は撮影監督の‘映画’に留まってる、等々と、勝手に視点のふらつかせながら、都度扱いに迷ってる)。
 日芸『鎖陰』の足立との出逢いが、優れて映画的作家だった若松の才能を真に伸ばし得たかは分からない。只、その奇形性を押し出す力に変えてくビジョンは、一次元上ではたらく。雨や水滴の反映のようなボヤけ揺らぎうごめく影の支配の操作力、狭いマンションの階段や室内·窓辺や玄関での主観移動や仰俯瞰·どんでん·CU対応の細か連打の·おぞましい迄の直裁力、2~3重の深く幽幻のOLや·一気突き進むスチル連打·(主役男女入替っての)深層を語るモノローグや·場や俳優の色合い入れ変えての過去シーン挿入の·深みとめどない妖力、表情や行為·道具の自己の内面に打返す·激しい自分だけの理性に叶う暴力と緊張(逆に囚われた女は生命の希求に併せ表面をいかようにも変える鋭さ·獰猛さ)、歪な胎児らのスチル他のこの世を超えたものの造型の介入、クラシックから宗教音楽·リリカルや淡いシンバルの響きの神秘、といったオーバーでもなく『2001年~』的とも言える張出し方で·実のところ映画人若松の本性に合ってるか分からない。それ以上の何かだとだけ言える。今回のニュープリントは、回想シーン淡く弱めトーン(オプチカル処理が入っての経年劣化の速度増しでもあるまいが)、全体にもスッキリで、昔観た劣化のせいもあり黒が染み渡り、おどろおどろしい囲い込む力に、及ばない気もしたが。 
 「(おかぁさぁん‼)窮乏や汚辱に裏切られ自ら死んだ父や母(「ぼんぼん的二世の専務で女嫌い·クールで知れ渡ってる」で付いてきたと云う、「便所」代わり·前妻酷似の従業員の女の台詞は?)、女房に人工授精迄して出ていかれた俺。胎内から、汚れ穢れた世界に出てくるべきではなかったが。豚おんな、糞袋、雑種の犬、がお前。矛盾や不条理を現す世界を、判別出来ない儘に‘自然’として受入れ、そのまま(次世代を)妊む、その精神(性)を裏切る肉体、それが女という存在。それを純血種に、再教育してやる、思う通りに。従えば生かすが、逆らえば殺す」。 確かな、『愛の嵐』『ソドムの市』『責める』辺りを子供扱いにし得る筆力が響き渡る。特にプライベートな共振は少ないが、映画の快挙の一つに立ち会った歓びを受ける。

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