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ウォー・ゲームのBalthazarのレビュー・感想・評価

ウォー・ゲーム(1983年製作の映画)
3.5
まだ、インターネットなんて言葉すらなかった頃の映画、登場する機器がとっても古めかしい。時代を感じますが……テーマは、逆に今のほうがリアリティがあるかも?この頃はサイバー犯罪なんて、まだ一般的ではなかったろうし。

人工知能を題材にした作品も色々ありますね。この時代ではまだSFの話でしたけど、いまやニューラルチップだ、ディープラーニングだと人工知能の研究も飛躍的に進んできて、人間に取って代わるのは時間の問題、なんて言われてますよね。サイバー犯罪も世界規模で行われるようになってますし。


コンピューターギークの高校生デビッド(マシュー・ブロデリック)は、自分の成績を書き換えたり、電話をタダ掛けしたり、管理システムに違法アクセスして遊ぶのが得意なクラッカー。

ある日、デビッドはさまざまなゲームが楽しめるホストコンピュータ「ジョシュア」にアクセスする。さまざまなゲームの一覧に、アメリカとソビエトとの核戦争をシミュレーションするゲームを見つけ、クラスメイトのジェニファー(アリー・シーディ)と一緒に試してみることにするものの、それが現実の核戦争へのカウントダウンを引き起こしてしまう。そのホストコンピュータは、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)にある人工知能「ウォーパー」(WOPR)と繋がっていたのだった。

NORAD側も外部から架空のデータを入力された事により行われた演習だと気づき、攻撃は開始寸前に中断されたが、デビッドのハッキングも逆探知され、FBIに連行される。

しかし、暴走を始めたWOPRは、ついにはNORADの将官からの中止命令をも拒否し、ICBMを発射しようと試みる。デビッドは軟禁から脱走して、隠棲中だったところを見つけ出して連れて来たWOPR開発者のフォルケン(ジョン・ウッド)と共に、危機を食い止めようとする。あらゆるアクセスを拒否し、電源を切ろうものならNORAD自体が攻撃を受けて壊滅した事にされ、やはり核が発射されてしまう。デビッドとフォルケンが最後に取った手段は「ゲーム」だった。勝つことのないゲームは無益であると学ばせるために、CPU同士を対戦相手とした三目並べ(○×ゲーム)をやらせたのだ。

ゲームは何度やっても引き分けに終わる。そしてWOPRは世界の軍事的対立データをシミュレートし、結論を出す。「勝者はいない」

WOPRは「勝つためには戦わない事こそ最善の策」である事を学習した。

以上、人工知能に相互確証破壊の概念を理解させるというお話でした。
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