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最後の航海のMOCOのレビュー・感想・評価

最後の航海(1960年製作の映画)
5.0
「待ってください、彼は僕の手で引き上げさせてください」(クリッフ)

 50年ほど前にテレビ放送で2~3回観た記憶があり映像を探したのですが、日本国内ではDVDどころかビデオすら販売されていませんでした、20年ほど前に海外のサイトを探しDVDを購入しました。

 当然吹替えも日本語字幕も無しです。英語力貧弱な私ですが子供の頃の記憶でセリフのほとんどが理解できました。


 豪華客船クラリドン号の機関室で発生した火災は、大爆発となりクリッフ・ヘンダスンと妻ローリー幼い娘ジルの客室の床の大半が吹き飛ばされ壁に隣接するわずかな床が残るだけでした。
 クリッフは、かろうじてジルを救いだすことはできたのですが、ローリーは倒壊した金属の柱に足を挟まれ身動きがとれなくなっていました。
 クリッフは船内に助けを求めに行きウディ・ストロード演じる機関室で働く黒人の船員を無理やり連れてきて柱を取り除こうとするのですが、柱を焼き切って解体しないと救えないことが分かり一人で船底にバーナーとアセチレンのタンクを取りに行くことになります。
 必死の思いでアセチレンのタンクを運び再びその船員を探しバーナーの使い方を尋ねると、酸素のタンクも一緒に持ってこないと使えないと言われもう一度船底へ向かおうとするのですが、酸素タンクのある部屋は水没していると聞かされます。
 クリッフはお母さんから離れたくない娘を無理やりその船員に預けて、救命ボートに乗せてもらいローリーのところに戻るのですが、船はどんどん沈んでいきローリーが溺れそうになるほど水位が上がってきます。
 船に残っているのは二人だけ、もう死を迎えるだけになったとき、あの船員が酸素ボンベを持って現れます。彼は子供をボートに乗せる時、引き返してくるときに酸素ボンベを持ってくるように頼んでいたのです。
 
 無事に海に脱出したクリッフとローリーはボンベを運んできたボートに引き上げられます。
 最後にあの船員を引き上げようと船の人たちが手を貸そうとしたときクリッフが言います「待ってください、彼は僕の手で・・・」


 豪華客船の沈没シーンの撮影は日本の海で実際に船を沈めて行っていて、パニック映画の大迫力とは違いじわじわと、時に急速に水没していくところはむしろ本物の怖さがあります。

 黒人俳優ウディ・ストロードがカッコ良く憧れました。

 この映画も大切な思いでの映画、古の映画は本当に良い。
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