TakayukiMonji

処刑の丘のTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

処刑の丘(1976年製作の映画)
4.2
シネマヴェーラの「日常と戦争そして旅 ウクライナ・ジョージア・ソ連映画」特集にて鑑賞。

傑作。76年作だが全編モノクロの戦争映画。
ナチス・ドイツに捕えられたロシアのパルチザン兵士二人の葛藤を描く、超骨太の一本だった。
似ている作品に、「裁かるるジャンヌ」が挙げられているが、”顔の表情”に迫る後半の流れはかなりオーバーラップした。それぞれの登場人物の信念と葛藤、絶望を切り抜いた表情が突き刺さる。後半30分くらいの緊張感のある展開にただただ圧倒された。
ナチスに協力するロシア人の審問官も、「裁かるふジャンヌ」の裁判官たちを彷彿とさせる。

仲間を守ること、裏切ること、生き残ること。救われない状況の中での選択の意味が問われる濃厚な110分。これは観るべき戦争映画。

まだ未鑑賞の「炎628」のクリモフ監督と夫婦の関係とのこと。こちらの作品も年内には鑑賞したい。
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