dita

喜劇 女生きてますのditaのレビュー・感想・評価

喜劇 女生きてます(1971年製作の映画)
4.0
@ シネ・ヌーヴォ 55

前に座ってた(この特集でよく見かける)じいさん、御恩返しは笑うところちゃうぞ。

さておき。

森崎東特集に通いはじめ早数日、まだまだ序盤なので偉そうなことは言えないけれど、映画の懐がとても深い。

たとえば御恩返しに対する怒りももちろんあるけどポチへの寄り添いを優先させるところ。家中(というか家全部)めちゃめちゃにしたサラシマンに「何やってんだ!」じゃなく「気が済んだか」と言う母さん。人生を引っ掻き回されボロボロにされてもサラシマンを見放さない女。

女に生まれたこと、女として生きていくことは不利な面を語られることが多い。もちろん不利なことはたくさんあって、学をつければ疎まれ、性を見せれば付け込まれる。自立は生意気、依存は弱さ、現代だってそんな考えを押し付けてくる人は山ほどいる。この映画の女たちはみんな、女であることを武器にしているところがとても好きだ。男と対等ではなく女は女として生きることに誇りを持っているところがとても好きだ。

裸を売る、結婚して嫁ぐ、強盗に立ち向かう、男の手を握り続ける。どんな生き方も認めてくれてありがとう。
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