ナーガ

復活の日のナーガのネタバレレビュー・内容・結末

復活の日(1980年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

私がすぐに見られる作品で、千葉真一さんが出てるのは何かなあって探したらこれでした。主演じゃないですけど。
観るの初めてです。原作は未読です。

冷戦のバカバカしさと、世界が一致団結することの重要性を訴えている映画です。
いい映画でした。
日本にもこんな大作SF映画があったんですね。
でも日本映画なのにほぼ字幕が必要です。

初めの方、ウィルスと細菌の区別がついてない登場人物ばかりで、MM-88はウィルスなのか細菌なのかわかりませんでした。
どっちでもいいけど統一して欲しかった。
最後の方でワクチン作ろうとする人が「ウイルス」ってずっと言ってたからウイルスなのでしょうね。


前半は、MM-88が世界中に広がって行く様子がリアルに描かれる「パンデミック映画」です。
人々がどんどん死んでゆき、まさに死屍累々の情景。世界各地での同じような光景が繰り返し描かれます。
伝染病は国境を易々と超えて広がっていくってことはこの当時からわかっていたのですよ。

「イタリア風邪」なんて呼んで風邪と似たようなものだと思っているくせに、誰もマスクしてないのが、今見ると異様です。
途中、多岐川裕美と、その友人の息子だけがなんとか生き残っている様子が描かれて、この二人は奇跡的にこの病原体に耐性があったのかと一瞬思いましたが、違ったようです。

緒形拳演じる医師が「どんなことになっても終わりはある。どんな終わり方をするかだ。」って言ってたけど、最悪の終わり方になってしまいます。


後半は、越冬隊として南極大陸にいたために助かった各国の南極基地の人々が、人類の絶滅を避けるために協力しあう話です。

ノルウェーの基地で悲惨な事件があって1人を残して死んでしまうのですが、その原因などは語られなくてよく理解できませんでした。
その生き残りが、かの、オリビア・ハッセー(ジャーン!) 哀愁のある美しさで、この映画をぎゅっと引き締めます。

生き残りの男女比が100:1くらいになっちゃって、強姦事件(ですよね?)があって、女性の尊厳を守るためにはっていう話し合いが持たれた場面、ストーリー的にはかなり大事なところだと思うのですよ。でも少し曖昧な表現で終わっちゃいましたね。もっと時間使っても良かったんじゃないかな。
例えば、多様性のためにできるだけ色々な遺伝子を残さなければいけないとか、次の世代で近親相姦にならないためにはちゃんと系図が作れる方法で(つまり誰が父親かわかる方法で)行わなければならないとかっていう理論的な意見が出たり、愛のないsexは罪であると信じている人もいるだろうし、好きじゃない人とは生理的に絶対ムリっていうことだってあるだろうし、もっと議論が紛糾したはず。
女性が物分かり良過ぎだったと思う。
この辺、男目線で作られた映画と言われても否めないと思います。


草刈正雄がワシントンDCから、チリだかアルゼンチンだかの宿営地に、数年かけて歩くのですが、その道中の映像が綺麗でしたね。でもマチュピチュに寄る必要あったのかな?


原作を読んでみたくなりました。

この話の後、『未来少年コナン』に続くのかなあとか、『ドクターストーン』みたいなことになるかもー、とか色々想像が膨らみます。

ちなみに千葉真一さんの役は、越冬隊員の一人で、セリフはほんの少しで、アクションは無しです。でも見れてよかった。
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