佳

復活の日の佳のネタバレレビュー・内容・結末

復活の日(1980年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

面白かった。

核戦争と新型ウイルスのパニックと地震、それぞれが一つずつでも映画になるような要素なのに、三つもあって大丈夫!?と思ったが、うまくその三つを繋げてきて違和感がなかった。ただ、最悪な三つが重なることでとにかく救いようがない。その分最後の終わり方に大きな救いがあったように思う。地球規模の大問題を迎え、南極基地の人々が国籍関係なく集まったり、最後のシーンでは「生きている」ということがとにかく嬉しい世界で、国関係なく「人間」という単位での喜びを感じたり、
このあたりは救いようがなさすぎるからこそ表せる人間讃歌(?)に感じた。ここまで救いがないのに、一番のテーマは「ライブイズワンダフル」であることが面白い映画だと思った。

カーターが死ぬ間際に、日本語で「人生はいいものだ」という場面が好き。
この人に限らず、船であきらくんと一緒に薬を飲むあの奥さんや、アルバムを見ながら死んでいたあきらくんのお母さんや、無線で連絡してきた5歳のトビー、その直後に自殺してしまうあきらくんのお父さん、悪い将軍、南極にいる人たちはそこから出るなと言い残して死んだお偉いさんたちなど、人の死に際が丁寧に描かれていた。この世紀末において、みんな死ぬんだけど、それぞれどんな死に方をするのかの描写が真に迫っているようだった。それぞれに想いを馳せたいなと思ったし、映画を見た後に何人もの登場人物が色濃く頭に残った。

この作品が国を問わず「人間」単位の話であるように、映画そのものも日本と外国とで作っていて、撮影等も含めてすごい規模感だなと思った。とにかく内容も作られ方も規格外な作品だと思った。
佳