ゴン吉

復活の日のゴン吉のレビュー・感想・評価

復活の日(1980年製作の映画)
4.1
小松左京の小説を原作とした作品で、アメリカの暴走により世界が滅ぶSFクライシス作品。
草刈正雄が主演、ボー・スベンソン、夏八木勲、多岐川裕美、永島敏行、丘みつ子、森田健作、千葉真一らが共演、オリビア・ハッセーがヒロインを演じる。 

”1982年の秋 人類は死滅した 南極大陸に863人の人間を残して 一体なぜそんなことに?” 
東独・ライプチヒの陸軍細菌研究所からウイルスM-88が盗まれ、事故によりアルプス山麓でウィルスが外界に拡散してしまう。
このウィルスは、摂氏マイナス10度以上で自己増殖し、0度を越えると猛毒を示す。
その後、ソ連カザフ共和国でヒツジが大量に死亡、続いてイタリア風邪が世界中に流行し、世界各地の都市が次々と崩壊する。
実はM-88はアメリカ合衆国が開発した細菌兵器だった。
さらにアメリカは禁断のARM報復ミサイルシステムのスイッチを入れてしまう。
生き残ったのは南極で越冬していた世界各国の南極調査チームと潜水艦クルーたちで、8人の女性を含む863人。
人々は国の枠を超えて南極連邦委員会を立ち上げ、人類の生き残りを図ろうとする。
そんな折、アメリカで大地震の発生が予測され、それによりARMが作動して核ミサイルが発射されることが想定される。
人類はアメリカの核ミサイル発射を阻止し、生き残ることが出来るのか....   

米ソ東西冷戦時代に公開された作品で、アメリカが世界崩壊を導くストーリー。
日本の同盟国であるアメリカの過剰な軍拡を皮肉っている。
さらに日本とは対立勢力であるソ連が世界を救うべく中心的な役割を果たしているのが興味深い。
一方、世界的なウィルスのパンデミックが人類滅亡のトリガーとなるものの、最終的には人間の軍事行動が世界を滅ぼすことに。
人類の本当の敵は何なのかを問いかけた衝撃作です。
現在、世界を混乱に陥れている新型コロナウィルスによるパンデミックと某国による突然の大規模軍事行動。
本作品はまさに今日の国際状況を象徴しているかのよう。
はたして我々は現在直面している国際問題にどのように対応していくべきか?
南極のオットセイが我々人類の愚かな行動を笑っている.....
作品自体は当時の日本映画としては珍しく本物の潜水艦を使った潜水艦同士の戦闘シーンもあり、見ごたえあります。
豪華キャストの共演も見どころです。
「ライフ イズ ビューティフル(人生はいいものだ)!」  

2022.6 地上波・東京MXテレビで鑑賞
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