青二歳

復活の日の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

復活の日(1980年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

角川映画×深作欣二と来ればイヤな予感しかしません…まさに想像した通りの“大作”でした…が!まさかの面白さ。全編ほぼ英語で日本映画とは思えませんけども…オリビア・ハッセー呼んでくる角川春樹すごいな…彼女の美貌に対抗できる草刈正雄のイケメン度も最高。
80年代のSF映画の中では結構上位かも。ウィルスなら死亡率が高すぎると寄生する身体がなくなっちゃって、人類滅亡に至る前に収束してしまうでしょうが、これは細菌でもウィルスではなくて核酸という設定らしいです。なるほど!よく分からん!だけど有り得そうと思わせてくれるのかSFの楽しさですよね。まぁ映画本編にはウィルスとしか出てこないので、見事なSF大作御都合主義にしか見えませんが。いいんです、SFは騙してくれれば。

振り返るとバランスは悪くて、90分か100分に出来そう…緒形拳らはどうなったのよ…さすがに椅子にかけたまま皆んな死ぬってこたぁ無いだろとか、そういえば渡瀬恒彦はどうなったのよとか、無理心中にしてもいきなりボートって!と…つっこみたい所は多々。でも南極基地でポーランドがソ連代表に噛み付いたり南米同士で喧嘩したり妙な説得力がある節も。そして女性陣の扱いね…人類を考えたら子供を産むのは分かるし、それが生き残った女性の“義務”になるのは理解できる。なるほど納得。だけど…くじ引きで相手が回ってくるというのは…南極基地における男性陣の性欲処理の問題であって、確かにレイプ予防かもしれないが…人類存続の目的とは関係ないよね。果たして機能するのかどうか…
まぁあんまり細かく突っ込むよりも、細菌でもウィルスでもない毒性を持った何かが人類を滅亡させ、さらにワシントンの局地的な地震が、核兵器の自動報復システムを作動させてしまうという冷戦期ならではのSF設定がシンプルながら面白いのでスルー。特に南極ロケや南米ロケの撮影が素晴らしいからそれだけでも観た甲斐がある。よくこんな構図探してきたなあと感心することしきり。
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