フライ

復活の日のフライのレビュー・感想・評価

復活の日(1980年製作の映画)
3.9
映画は、時代を写す鏡と言う言葉を象徴する様な作品だが、改めて当時の日本映画製作の凄さを感じると同時に、これだけのものを製作した事に、尊敬の念すら抱いた。何より小松左京と言う偉大な作家の発想に驚かされた。
ストレスを受けやすい人には、正直今観るのはオススメ出来ないが、キャスティングやスケールの大きさは、ある意味、日本映画製作の頂点と思えるSF映画なので、映画好きならいつかは見た方が良いが、日本映画の歴史を知る上でも重要な作品。
人為的に人類を絶滅させる為の核と人工ウイルスの2つを使う皮肉たっぷりのSFパニック映画は、人間としてのエゴや、傲慢、思いやりと、愛を感じるヒューマン色の強い作品。人類が平和に暮らす為には、国境や人種、民族の垣根を取り払わなければならい事への痛切な皮肉とも思えるストーリーに、現実社会の愛や思いやりの無い世界に、切なさと絶望感すら感じてしまう作品。
ラストシーンの絶望と孤独、希望は心震えるし、オリヴィア・ハッセーは綺麗だった。
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