大恐慌時代の人々を救ったのが馬という、にわかに信じがたい話ですが、これは実話というところに大きな意味があります。
出てくる人間たち全員が失望のどん底に陥り、シービスケットに会い再起を図る物語。
意図的にかも知れませんが堕ちている描写が少ないため、それほど絶望的に見えないのは少し残念。
ただ役者陣は3人とも大満足。
特に惹かれたのはジェフ・ブリッジス演じるフォードの人柄。
どんなに失敗しようとも手を差し伸べる優しさ。「ちょっとのケガで、命あるものを殺すことない」心に残るセリフです。
そして何といってもレースシーンの迫力はすごい。馬が駆ける蹄の足音なんか絶品。
ところで主要キャスト以外にも注目すべきは2人います。
一人はジョッキーのアイスマン。
実はこの方本物の騎手だそうです。それにしては見事な役者ぶり。
さらにはウィリアム・H・メイシーの芸達者な実況ぶりには拍手を送るしかありません。
人生において一度や二度のつまずきはだれにでもある。
大切なのはそこから闘うか。引き下がるか。良いセリフだ。