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シービスケットのTPのレビュー・感想・評価

シービスケット(2003年製作の映画)
2.5
 シービスケットの生涯成績は89戦33勝。なんと2歳の1月から走り始めて、2歳時には35戦もした。強い馬と弱い馬の差が激しく、毎週走るのが当たり前の時代の話で、今の馬の尺度で見てはいけない。
 時代背景からすると、日本ではオグリキャップというよりハイセイコーに近いか。そう考えるとシービスケットの走りが当時のアメリカ人を熱狂させたことは想像に難しくない。靭帯断絶からの復活は実話で、まさに時代のヒーローだったのだろう。

 しかし、競馬以上に映画にうるさい私にいわせれば、映画の出来は悪い。原作本は400万部を売り上げたベストセラーで、その内容を出来るだけ忠実に再現しようとしたのだろうが、その結果、話が散漫になってしまった。
 意味を察し得ないエピソードの数々、登場人物の成長物語も突飛で納得しがたい。役者達は典型的なアメリカ人顔で個性が無く、といって馬を中心に描いているかと言うとそうでもなく、なんとも核になるものが掴めない。

 結論すると、競馬好きだから観てみたものの、とても映画オタクの評価を甘くさせるレベルに達してはいなかったということ。
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