イチロヲ

血を吸う薔薇のイチロヲのレビュー・感想・評価

血を吸う薔薇(1974年製作の映画)
4.0
人里離れた女学院に招聘された新任教師(黒沢年男)が、暗躍する学長(岸田森)の真の姿を暴こうとする。イギリスのハマー・フィルムを模倣している、東宝産のヴァンパイア・シリーズ第3弾(最終作)。

生徒の蒸発事件が巻き起こっている学園を舞台にして、新任教師(黒沢年男)、校医(田中邦衛)、ヒロインの生徒(望月真理子)が真相を探ろうとする。女子生徒が一人ずつ消えていくという構成なので、映像に華がある。そして、全体的に楳図かずおっぽい。

また、本作の特筆すべき点として、女優陣による下着&乳首サービスが挙げられる。一部、ボディダブルを使用しているようにも見えるが、女性のオッパイとスプラッター・バイオレンスの調和性を再確認することができる。

岸田森による吸血鬼演技は、すっかり堂に入ったもの。クリストファー・リーのそれとは異なる、和製吸血鬼を確立させている。吸血鬼なりの事情に言及しながら、「現代に生きてはいけない存在」であることを示唆する語り口もまた美しい。
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