オーウェン

バトルクリーク・ブローのオーウェンのレビュー・感想・評価

バトルクリーク・ブロー(1980年製作の映画)
3.5
この映画「バトルクリーク・ブロー」は、製作総指揮レイモンド・チョウ、監督ロバート・クローズ、音楽がラロ・シフリンという「燃えよドラゴン」の黄金トリオが手掛けた、ジャッキー・チェンのアメリカ進出第1作目の作品だ。

シカゴの中華料理店の次男坊がジャッキーの役だが、香港映画でお馴染みのユーモラスなタッチを生かし、親父をいじめに来たギャングの手下どもと闘う場面からして、やたらと強そうな相手が殴りかかってくるのを、いかにもひ弱そうな恰好でかわすと、それがそのまま鮮やかな攻撃になって相手はダウンといった、愉快なアクションぶりを見せてくれる。

ただ、お話そのものは「燃えよドラゴン」に比べて、全く面白くない。
アメリカ映画では、何度も描かれている”ストリート・ファイト”が中心だからだ。

相手を抱きしめてキスして、背骨を砕いて殺すという残忍な元全米プロレス・チャンピオンのH・Bハガティとテキサスでの選手権大会で対戦するクラスマックスまで、恋人役のクリスティン・ド・ベルをお相手にのんびりと、おトボケの場面を展開していくのは、なかなか楽しめる。

ローラー・スケートレースなんてドタバタのお笑い場面も盛り込んであるし、場面の展開も演出も、香港映画の作品に比べれば遥かにまともな作品なので、アメリカ進出第1作目としては、まずまずだろう。

しかし、ある面では、香港映画的な風土なるがゆえに生かされていた、ジャッキーのユーモラスな魅力が半減していることも確かだ。
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