テレビシリーズでは到達しなかった帰結を迎えている。
第2部では、テレビシリーズの面影がほぼ無く、全く違う世界線を描こうとしていることが窺える。
第1部では、シェリルとランカのシスターフッドがあまり深まらずに物足りなかったが、本作ではテレビシリーズとは異なり、バディというよりライバルとしてのややドライな関係性が築かれているように思った。
テレビシリーズでは、初め駆け出しアイドルだったランカを銀河の歌姫シェリルが後押ししていたのが、いつしかランカが新生の救世主として持て囃されるようになると、シェリルは病の進行とともに表舞台から退いていく。歌姫という立場を巡る複雑な感情を乗り越え、共にバジュラに立ち向かう姿が描かれていた。
一方劇場版では、ランカとシェリルの直接的な交流がやや少ないためか、アルトとの三角関係にフォーカスされているように見える。さらに劇場版シェリルは独自の「使命」を与えられているため、歌姫としてランカと対の立場にはならない。
しかし、テレビシリーズでランカを歌姫へと押し上げた『星間飛行』が、本作では直接的にシェリルを救う機能を持つところがかっこよかった。
