ぶみ

ポセイドンのぶみのレビュー・感想・評価

ポセイドン(2006年製作の映画)
3.5
その瞬間、運命もさかさまに転覆し始める。

ウォルフガング・ペーターゼン監督、カート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス等の共演による海洋パニックで、1972年公開、ロナルド・ニーム監督『ポセイドン・アドベンチャー』のリメイク。
巨大な波の直撃を受け、転覆してしまった豪華客船「ポセイドン号」の乗客等の姿を描く。
オリジナル版は鑑賞済みであり、今般、NETFLIXでの配信終了が近かったため、あらためて鑑賞しての再投稿。
乗船客である元市長をラッセル、ギャンブラーをルーカス、設計士をリチャード・ドレイファスが演じているほか、アンドレ・ブラウアーやマット・ディロンの弟であるケヴィン・ディロン等が登場。
物語は、大晦日の夜、パーティーが行われている最中、大津波により転覆し、上下逆さまとなった船内から逃げようとする人々の姿が描かれるため、概ねのプロットはオリジナルを踏襲。
ただ、オリジナルでは乗客の職業が牧師や刑事であったりと、細かな設定が違っているとともに、オリジナルよりも背景となるような物語が廃されていることから、より一層、純粋なパニックものとなっている印象。
また、オリジナルにおけるCGなき時代の転覆シーンや、水が侵入してくる様は、実写ながらの迫力がある反面、ミニチュア感も否めなかったが、本作品ではCGやVFXが効果的に使われているため、映像のクオリティは段違い。
また、エンドロールを何気無く眺めていたところ、スタント役のクレジットに、女性スタントの第一人者であるゾーイ・ベルの名があったのは見逃せないポイント。
前述のように人間ドラマが薄くなっている印象は否めないものの、オリジナル当時では出来なかった映像表現を、最新技術で実現させるという点では、リメイクのお手本のような作品であり、泳ぎはもとより、水が苦手な私としては、息が詰まりそうなシチュエーションの連続に冷や汗が止まらなくなる一作。

水だけは大量にある。
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