しゅん

冬の子供のしゅんのレビュー・感想・評価

冬の子供(1988年製作の映画)
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実存的な欠乏に振り回されるように身勝手を重ねる若い男と女。似たもの同士故か彼らは一つにはならず、叶わないものしか望めない。結末の対比も含めてなにか生々しいものがある。
比較的近いカメラ位置と横への移動が彼らの彷徨を伝える。デビュー作に比べると画面の統一感があって、最後の吹雪の景色から晴間への転換も鮮やかに思える。服のブルーグレーや深緑や橙の色合いも活きているような。

半透明のカーテン越しのクロチルド・ドゥ・ベイセルの顔と赤ん坊を抱いて家具の横で眠るミシェル・フェレの顔が良かった。どっちも(元)恋人宅への侵入時のシーン。
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