やはり変にストーリーや主張があると色々細かい部分が気になってしこりが残ってしまうなというグレミヨンの映画
冒頭の二回繰り返される孤児院の子供たちのシーンは意味深で何事かと思ったけど、最後まで見たら結局意味深だっただけで上手く機能していたとは思えず、長回しを基調とした端正な映像に飛行機のエンジン音等の巧みな画面外の音の使い方も前半部分は目立って非常に良かったのだが、後半になるとメッセージ性が強調され、しかもそれが空回りしてしまって萎えてしまった
というのも、途中からこの映画が飛行機の魅力に取り憑かれた妻と技師の夫の話となるのだけど、そこから画面構成より会話が主体となり映像の魅力が薄れ、展開にしても夢や勇気の話なのに娘のピアノに対する気持ちは無碍にするのかと首を傾げてしまう点もあってのめり込めず、最初の方が素晴らしかったのに後半になるにつれ徐々にウンザリさせられた
ということで最初に述べたように、良い映像があってもメッセージ性が悪目立ちしたら台無しになってしまうことを改めて痛感する結果となった