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東京物語の&yのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
5.0
【2013/12/13:神保町シアター】こういう映画を観ると「忘れかけていた日本の美しさ」なんてつい言いたくなるけど、現代人の多くが「忘れかけてた」のではなく、残念ながらもともと身につけてさえいないであろう美しさが詰まってる。丁寧に揃えられたあのスリッパみたいに、華美でない、隅々まで端正で正確な美しさ。
時の流れによって変わりゆくもの・ことにどう向き合うか、どう委ねるか。ただそれだけのミニマムな話。家族という記号的な単位の中で静かに語られる(映しだされる)、流されたり、抵抗したり、飲み込んだり、…という人間の業。それを俯瞰で観るうち、諦めもずるさも欲も全て愛おしく、尊いなと思えてくる。
わたしはどうやら、変化するものごとにどう対峙するか、っていう話が好きみたい。「ラヴ・ストリームス」とか「わたしはロランス」とか。どれも、わたしごときが今更ダラダラ書き連ねる必要なんて全くない、傑作。
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