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東京物語のbluebeanのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
5.0
小津監督の、完璧に作られた構図を固定して低いアングルから撮るショットは有名ですが、まさにシーンそれぞれが一つの芸術作品のように美しいです。

家族の解体が描かれていますが、それは半世紀以上経った今でも現在進行形であり、その普遍的なテーマはまったく色褪せていません。実家を出て暮らしている人が観れば、多かれ少なかれ罪悪感や切なさを感じるのではないでしょうか。

親にそっけない態度を取る実の子供たちと、優しく接する嫁の原節子が対比されますが、ラストがまた最高に切ない。作中で何度も映る尾道の線路を、彼女を乗せた汽車が通るシーンは泣けます。
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