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東京物語のぉゅのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
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2022年 鑑賞 22-305-33
BS松竹東急 銀座よる8シネマ にて
※4Kデジタル修復版
「戸田家の兄妹」「晩春」「麦秋」等の小津安二郎監督・脚本 × 野田高梧さん共同脚本による、尾道に暮らす老夫婦の周吉(笠智衆さん)と妻とみ(東山千栄子さん)は上京し、年老いた両親とその家族たちの姿を通して、家族の絆、親と子、老いと死、人間の一生、それらを冷徹な視線で描いた作品。オマージュされることも多く、主なオマージュ作品にヴィム・ヴェンダース監督の「東京画」、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「みんな元気」、侯孝賢監督の「珈琲時光」、ドーリス・デリエ監督の「HANAMI」、山田洋次監督の「東京家族」がある。
スコアはつけられないと感じたため遠慮させていただきます。

ー これぞ源流!ー
この作品にてヒロインを演じられる原節子さんは「紀子」という名前であり、「晩春」「麦秋」と合わせた3作品をまとめて「紀子三部作」と呼ぶことがあるそう...

モノクロ作品。夫婦の枕の話、円筒の画、この方が噂の紀子さん!、小津監督らしい映像(ローポジションやカメラを固定して人物や風景を映した映像)、「あんたがお医者さんになる頃おばあちゃんは生きとるかのぉ... 」、「お風呂行く」は銭湯 → だから円筒?、あずきアイス、紀子の東京案内、お酒を借りる、紀子の夫は周吉夫婦の次男昌二の妻、昌二は戦死したそう、熱海の安宿はうるさい!、尾道に帰りたいのは周吉?とみ?の言い合いがいいっ!、がとみが... 「よぉ寝られんかったからやろ」、親と子で本音と建前と嫌味、「とうとう宿無しになってしもぉた」、とみは紀子宅へ周吉は旧友を訪ねて... 、「広いもんじゃなぁ 東京は」「うっかりこんなとこではぐれでもしたら一生涯会えやしませんよ」都会と田舎の違い、代筆屋?、沼田さん?印刷屋?、まさか沼田さんは東野英治郎さんだぁ!、「戦争はこりごり」、ちゃぶ台と3人の男性とお酒、紀子ととみの会話が沁みる、周吉と沼田は酔っ払って... 、朝の紀子ととみの会話はより沁みる、とみの容態が... でも翌日にはケロっとして...

長男 → 長女 →次男の妻 → 三男 →そして次女のいる尾道へ... 周吉からの礼の手紙と次女から電報... 夫婦が幸せと感じたから起こった奇跡なのかもしれないと目に水分を溜めながらレビューを書いた... 直接的に死を描かず、その後も淡々と過ぎ... それが返って観ているのが悲しかった、静寂がこんなにも悲しいとは... 孝行と思い出話、子が成長し親から子が離れ個人個人の家族を形成する、悲しいけどこれが世の中だ... 、紀子と京子(香川京子さん)の会話も沁みる、周吉と紀子の会話ととみの思い出話と形見、せっかく引いていたものが一気に溢れ出した... ラストの周吉のワンショットが深い...

紀子が思う歳をとらないや再婚しないことこそが、京子との会話のようにならないために誓ったことなのかな?それこそがずるいということなのかもしれない...

「いいんです 私歳とらないことに決めてますから」「ええ人じゃのぉ あんた」

「孝行したい時分に親は無しや」

「ええほうですとも よっぽどええほうでさ 私ら幸せでさぁ」「そうじゃのぉ まぁ幸せなほうじゃのぉ」

「嫌ぁねぇ 世の中って」「そう 嫌なことばっかり」

「私ずるいんですよ」

1965
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