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東京物語のdrawのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
3.8
◯老夫婦は故郷の尾道から二十年振りに東京にやって来る。子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった…

☑︎「小津調」を堪能できる
☑︎資本主義に流れる日本の家族
☑︎見せたいものだけを見せる潔さ

《戦後から何も変わっちゃいないと》
小津安二郎。海外にもファンが多い伝説の映画監督なので、よく耳にしていたけど。
なるほど、感心。
物凄い構図へのこだわり。
襖の開き具合や物の配置。
少しぽくないなと思うカットがあっても、後から来た登場人物がそこに収まったりする。
どこを切り取っても絵になる。

笠智衆が演じるお父さんが、この人半分何も考えてないんちゃうか?というくらい一辺倒な発言、雰囲気で面白みに欠けるなぁと感じていたが、これが終盤になるとじわじわ哀愁に変わっていく。

今の日本の家族もこの作品で見られる光景とほとんど変わらないように思える。
家族とはなんなのか。

監督は「理屈が合っていても、自分が嫌いであれば撮らない」と言うように、僕にとっては小津監督のカメラへ向けた登場人物正面シーンが違和感ありまくりで嫌いだと感じる。
だがそこにインパクトと美はある。
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