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東京物語のmarnimのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.0
日本映画史に残る名作とのことで、鑑賞を楽しみにしていた。
ちなみに小津安二郎監督の作品は本作が初めてとなる。
故郷尾道から20年ぶりに上京してきた老夫婦を厄介者に扱う子供たち。
とりわけ長女志げ(杉村春子)のズケズケした物言いや厚かましい態度と、次男の未亡人紀子(原節子)の心優しく誠心誠意尽くす対応とが対比的に描かれている。
周吉(笠智衆)は飄々としていて、ある意味達観しており、子どもたちの冷たい対応にも動じることはないが、紀子の優しさにはキチンと感謝の気持ちを伝えるところが、なんともジンと来る。
子どもたちに同情するとすれば、子どもたちは子どもたちの生活があり、田舎から両親が来るというのは、正直かなり面倒くさい。
そういう意味では、血の繋がりのない紀子は、稀有な神対応と言わざるを得ず、大なり小なり子どもたちの対応が当たり前なのではないか。
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