りぃ

東京物語のりぃのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.8
終戦から「もう8年」と台詞にあるので、映画の時代設定はこの作品の制作年と同じ1953年なのだと分かり、なんだかとても興味深かった。

だって第2次世界大戦だよ、焼け野原にバラックが建ってた東京がたった8年程度で皇居や都内をバスで観光したり、熱海で温泉旅行が楽しめるなんて、強い精神力含めた復興はなんてすごいんだと思った。

とはいえ、長男が住まいに開業している医院は大きな改造はされていないし、
美容室を営む長女は店舗の端の狭い茶の間に夫婦で就寝、2階には従業員を住まわせていた。
義理の娘が夫婦で住んでいたひと間のアパートはトイレやお風呂どころかキッチンも共同、皆現状を受け止め、精一杯前に向かって生きていた。

あらすじに「厄介者扱いする」とあったので、もっとひどい扱いをされているかと思ったけど「休みに歌舞伎見物に連れて行こうかと思っている」と聞いて、なんだか嬉しかった。
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