まつむらはるか

東京物語のまつむらはるかのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.5
人と人、特に親子の距離感が今とは違って、扇風機も携帯電話もないこととか、みんな正座してご飯を食べるとか、お隣さんにお酒を借りるとか、わあ、日本の家族ってこんな感じだったんだな・・・とひとつひとつの動作までもが美しく感じられました。

尾道から東京の子供に会いに行って帰って来るだけの話なんだけど、おじいちゃんおばあちゃんのたわいもない会話の仕方がゆっくりで、ひとつひとつの会話が積み重なってその人の心境がじわじわとわかってくる感じがあって、
「まあ、でも、幸せなほうだよなあ」「そうですよ、幸せなほうですよ」という会話がぐっときました。

家族の集まるシーンで顔がかぶらない完璧な構図や、真正面からこちらに語りかけるようなカットがめちゃくちゃかっこよかった