サトミン

東京物語のサトミンのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.2
映画館で出逢えて、まず感謝。
お父さん役の笠智衆さん、表情や話し方、実直で素朴過ぎて、すごい表現力です。
亡息子の嫁役の原節子さん、日本人のお手本のようです。
お母さん役の東山千栄子さん、キャストで一番良かった。
いつもニコニコ、おだやか、へーという返事がまた良い。
ずっと見ていたい3人でした。
この時代の言葉は、どのような感情の時でも、やさしさ溢れてて気持ちいいなあ。
最近の日本ドラマ、まったく見なくなった訳は、言葉が刺々しく、ヒステリックなシーンが多く、
とても気分が悪くなるから。
昭和30年代の日常として流れる生活シーンが、のぞきみられたのも良かった。
畳を箒で掃く姿など、感動的。
普通の暮らしが切り取られ、映画になったのだけど、まったく飽きない。
内容は、ある意味、どこにでもある家族の確執や悲喜こもごも。
茶の間を見せる低いアングルの撮影は、独特で安心感。
何気ない日常を、考えさせられる作品にした監督、小津安二郎さん。さすがです。
邦画のシロクロ映画は、古臭いなあというイメージで敬遠していた。
それは間違いであった。むしろ新鮮で瑞々しい。20代から観ておけばよかった。
洋画だけでも、観たい映画が多すぎて、寿命が来るまでコンプリートできるか疑問。
さらに、邦画まで手をだしてしまうと、収拾がつかなくなってしまう。
さて困ったなあ。
サトミン

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