KnightsofOdessa

長い見送りのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

長い見送り(1971年製作の映画)
4.0
[全く見送らないよ] 80点

サーシャ、パーシャ、マーシャ。過保護な教育ママとそれに振り回される息子。決して目を合わせないのに一画面に収まる対話から分裂する母と息子のありがちな依存関係。ただの面倒な母親に振り切れてない感じが絶妙で、多少の愛着が湧いてくるが、母親パートが少し長過ぎる。息子パートは話運びの適当さがヌーヴェルヴァーグっぽくて気に入った。ペンを落としたり退かない客の元に戻ったりを永久に繰り返す感じが、多分この親子が辿る"出ていく詐欺"的な気持ちの往来の繰り返しを暗示していてなんともな気持ちになる。

父親との電話を側で聴いてるとこはただのホラー映画。その後、父親と同じ立場のおっさんの手紙を代筆するシーンで無理矢理中和しようとしてるとこも絶妙でムカつく。てか、長い見送りとか宣っている癖に、多分この親子は見送られることはないのでは。
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