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地下鉄(メトロ)に乗ってのminのレビュー・感想・評価

地下鉄(メトロ)に乗って(2006年製作の映画)
3.0
BS放送を録画で。
浅田次郎の原作は読んでいないのだけれど、原作の方が良きなのだろうか。

浅田次郎らしいストーリーだったけれど、やはりどうしてもラストに納得のいかない私は、物語的に流星ワゴンのほうが好きだ。

この作品も流星ワゴンも主人公が自分の父の若かりし頃に会いに行く話だけれど、私は若かりし頃の親に会えるなら会ってみたい派。私が幼稚園のみぎりに当時右矯正に全力を注いでいた幼稚園の園長の再三の説得を聞き流した両親を見てみたい。

親って、結局子供が思ってるほど大人じゃないのよね。でも、子供は自分が大人になってみてはじめてそれを実感するきらいがあるのよ。大人が少しだけ人生の先輩として子供にしてあげられることは、子供に真摯に向き合うことと、背中を見せることだけなのよね。ご飯を作る背中、働く背中、疲れた背中、その背におぶわれて、その背を見て子供は育つ。しかも、大人も子供を甘くみてるけど、子供ってけっこう大人のことをよく見てるのよ。ゆえに真摯な対峙が大切。

あー、なんか、こんなことを書いちゃうなんて、やっぱり浅田次郎は読者からこういうのを引き出す系のストーリーテラーなのだわ。
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