【悪くないが、結末がどうも】
浅田次郎原作、篠原哲雄監督作品。
一代の企業家ながら強引で家族を顧みない父(大沢たかお)に反発して家を出、姓を母方に変えて生きている男(堤真一)。家督を継いだ弟から父が危篤だから会いにきてやってほしいと言われても肯んじない。
ところがある日、地下鉄の駅を出ると、そこは彼が少年時代を送った昭和39年、すなわち(前回の)東京オリンピックが開催される直前の東京だった。やがて彼はしばしば過去にタイムスリップして父の過去の姿を知るようになるのだが・・・。
タイムスリップものであるが、家族小説的なところもあり、また主人公が単なる正義漢でなくそれなりに父と似たところがあるという設定になっているのも悪くない。
ただ、彼の愛人(岡本綾)がからむのだが、その処理が何となく後味が悪いのである。そこがどうもね。私だったら、「それでもいい」という結末にするけどなあ。