いなだ

セールスマンの死のいなだのレビュー・感想・評価

セールスマンの死(1951年製作の映画)
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原作の戯曲を読みたかったけど、映画があったのでとりあえず観た。
過去の僅かな栄光と希望に取り憑かれ、セールスマンとしての自分と、息子(長男)が成功するという幻想を抱くあまり、幻覚を見始める63歳の主人公。実際は老いてクビを切られる自分に、いい年して身を固めることなく生活している息子二人。特に前途に期待を寄せていた長男には盗癖があり、定職につくことができない。家庭を完璧に支配し子どもを導く「父」という役割、また「栄光」にしがみつき、見栄を張ることに必死な、痛々しくて見ていられない主人公の悲劇……。妻は主人公を信じてずっとついてきていて、息子たちも父を愛していたのに、何とか、何とかなる道はなかったのかな……と思う。成功した兄の幻影に追い縋る主人公の姿に、どこから間違えてたんだ?って思った
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