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獣兵衛忍風帖のRのネタバレレビュー・内容・結末

獣兵衛忍風帖(1993年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1993年の日本の作品。

監督は「バンパイアハンターD」の川尻善昭。

あらすじ

「はぐれ忍び」の牙神獣兵衛は、甲賀組忍びでくノ一の陽炎を偶然助ける。陽炎を助けたために、謎の忍び軍団「鬼門八人衆」に狙われることになった獣兵衛は八人衆との戦いに巻き込まれていく中で敵の陰謀を探ることになる。

アマプラでちょっと面白そうだったので興味本意で鑑賞。

お話はあらすじの通り、どうやら俺はまだ観たことないんだけど「バンパイアハンターD」を作った川尻善昭というアニメーターの監督作らしい。で、内容はというと、まぁ言っちゃえば「トンデモ時代劇」。プロット自体は忍者とかが出てくる時代劇調ではあるんだけど、そこに出てくる忍者(主に8人衆)が特殊忍術を使う人たちなもんでどちらかと言うと「NARUTO」もっと言っちゃえば山田風太郎原作の「甲賀忍法帖(バジリスク)」に似ている作風。

で、主人公は山ちゃん吹き替える、牙神獣兵衛というものすごい名前のはぐれ忍び、要は抜け忍なんだけど、ぶっちゃけキモは敵キャラの8人衆に尽きる。

例えば、皮膚を岩のように硬化させる鉄斎だったり、蛇使いで自身も脱皮できる紅里、盲目の剣士で刀身に日差しを当てて目眩しを使う現夢十郎、影から自由に出入りできて、死体を操るシジマ、火薬を自在に操る柘榴、そしてNo.2の全身感電野郎、百合丸とかなりバラエティ豊か、ともすれば絵柄のタッチ含めてアメコミヒーロー的でもある。

個人的にインパクトがあったのはスズメバチを自在に操る蟲蔵なんだけど、背中の瘤がそのまんまスズメバチの巣になっていて、そっから無数のスズメバチを出すというかなり出オチ感のあるキモい敵で、結構獣兵衛が苦戦する強キャラという意味でも1番印象深かった。

で、今作90年初期のアニメらしく、割とエロ描写もかなり描いていて、特に序盤、鉄斎に攫われた陽炎が荒れ寺の中でレイプされちゃうシーン。普通に鉄斎が陽炎のおっぱいにむしゃぶりついててめっちゃ時代劇AV観てるような感じで面白かった。

で、そんなヒロインの陽炎も特殊能力持ちでそれが全身に毒が染み込んでいて、なんと抱いた相手をその毒で殺しちゃう!なんつー、山田風太郎チックなキャラなんだと思ったら本人は割と純情で、後半にかけては行動を共にする中で獣兵衛といい感じになっていき、獣兵衛とSEXするんかしないんかーでやきもちしつつ、結局最後までSEXしないという選択をとった獣兵衛が硬派すぎるー!!

クライマックスは8人衆のボスで、獣兵衛と因縁のあった氷室弦馬と戦うんだけど、最後は弦馬が融解した黄金にまみれた全身黄金人間となって襲いかかってくるところもアメコミっぽいなー。

あとは相棒的に立ち回る濁庵、ヨボヨボの目玉ギョロ付きおじいちゃんなんだけど、全身ゴムのような肉体してたり、作中では割とコメディリリーフ的に立ち回りつつ、最後はぜんぶ美味しいところを持っていくダーティーさもあって良かったなぁ。

まぁ、周り特殊なのに、肝心の獣兵衛が普通の人間ってところは個人的に残念だったのと、8人衆との戦いが割と手っ取り早くテンポ早めに終わっちゃった後、間延びした印象があって、終盤にかけて退屈になっちゃう部分もあったけど、良き時代の気合いの入ったアニメーションという感じで観て良かった作品でした。
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