映画大好きザウルスくん

刑事ニコ/法の死角の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

刑事ニコ/法の死角(1988年製作の映画)
3.5
☆再鑑賞☆
セガール36歳頃。
無双指数3。

デビュー作にして主演作、さらに自分史まで投影されているというセガール愛に満ちた作品。セガール映画にしては話が複雑なものの、若く細いセガールが合気道や剣道を駆使したオリジナリティ溢れるリアルな格闘を見せ、銃撃シーンでも身体を半身に構えるウィーバースタンスを駆使し射撃中ほとんど目を瞑らず、引き金を引く時も力みすぎないというリアルなコンバットシューティングを見せてくれる。地味にレベルの高いバカにできないB級アクション映画です🥳

セガールと言えば無傷で相手をボコボコにする無双イメージが強いですが、それが定着するのは『アウト・フォー・ジャスティス』からであって初期作では意外とダメージを受けるシーンもあります。本作では敵に捕まって拷問され流血するという後のセガールからは想像できない珍しいシーンがあります(しかし薬が効いたふりをして相手が油断した隙に敵を皆殺し、薬が効かなかった理由は特にないというタフネスぶり。デビュー作から無双の片鱗はありました笑)。中盤で車に乗ってるセガールが機関銃を持った敵に蜂の巣状態にされるシーンはアングル的にも『ゴッドファーザー』のソニー暗殺シーンを元にしたように思われます。しかしソニーがしっかり穴だらけにされたのに対しセガールは無傷、さすがと言わざるお得ません(笑)。

型破り刑事ものの映画は敵に向かって発泡できないようなもどかしいシーンも多々ありますが、本作では悪党がセガールをおちょくれば問答無用で即刻射殺してくれます。デブな喧嘩屋も腹パン1発でKO!この爽快さこそセガール映画の魅力ですね👏✨ (にしても本作、危険が迫るシーンの度に癖の強い「タンタン、タン」というBGMが流れてくるのは少しウザかったかな…)

アクション映画で合気道を使ってるのって未だにセガール映画だけなのでは?素晴らしいことですよねこれ。この路線を続けていればもっと希少価値の高い俳優になれたと思うんだけどな〜(今もある意味希少価値の高い俳優ですが…)。セガールなんで太っちゃったのかな〜細けりゃそこそこカッコいいのに…まああの体格に髭づらってのもあれはあれで貫禄スゴいからいいけどさ(笑)。

セガール映画はたとえ話が複雑だとしても大枠としては「大切な人が酷い目に遭う→復讐する」これの繰り返しなのでどなたでも気軽に楽しむことができます。また、敵が強そうに見えても基本的にセガールが無双し一方的に叩きのめしてくれるのでヒヤヒヤすることもなくリラックスして楽しめます。セガール映画ではセガール自身は強いし無傷だけど大抵仲間や家族は殺されたり酷い目に遭わされたりします。そしてセガールの目的達成のために罪のない一般人やお店が被害を受けることも多いです。セガール映画においてはセガールが絶対的な正義であり、セガール自身が法律なのです。そのリテラシーだけ理解していればどのセガール映画を観ても楽しめること間違いなしです!