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ロッキー3のaaaakikoのレビュー・感想・評価

ロッキー3(1982年製作の映画)
4.0
もうすぐ1000post、ということで、やはり記念すべきpostはこれだよな〜と、重い腰をあげて書くことにしました。
そもそもわたしがFilmarksを始めたのは、エイドリアンのことを書いてくださっているレビューにいいねを押すためにアカウントを作ったからです。それだけでした。
アカウントの体裁を整えるため好きな映画を数本投稿していただけなので、まさか1000までいくとは思わず、『ロッキー』のレビューも一生書くことはないと思っていたのですが、ここまで来たらひとつの区切りとしてpostを決めました。

というわけで998markは本作です。


本作におけるエイドリアンの見どころ

・除幕式
・ボロいホテルで輝く彼女の白い下着姿
・海岸でロッキーにかける名ゼリフ
・全体的に化粧が濃い

ぐらいでしょうか。

コミュ障メガネ女子はすっかりなりをひそめてただの元気な嫁になってしまったエイドリアン。
口うるさかったミッキーは良いじいちゃんになってしまい、アポロ・クリードはただのいい男に、ポーリーは無職に…。
ロッキー像の除幕式ではまるで父と息子の嫁のように仲睦まじいミッキーとエイドリアンが印象的です。

本作での彼女の功績は、何といっても砂浜で夫にかけた言葉です。

「アポロはあなたを信じてる。私もよ。今こそあなたはやらなきゃいけないのよ。それはミッキーのためでもなく、ファンのためでもなく、タイトルやお金や私のためでもない。自分よ、自分自身のためだわ(For you. Just you. Just you alone.)」
「もし負けたら?(And if I lose?)」
「『負け』よ。でも今度は弁解も恐れもない、それを認めて生きるの(Then you lose. But at least you lose with no excuses no fear. I know you can live with that.)」


これは、ロッキーが何も持ってない時代から彼のそばにいた彼女だからこそ言えるセリフなんですね。

そもそもロッキーは、何かへの挑戦や自分探しのためといったお坊ちゃん的な理由ではなく、生きるため、金のためにリングに立ったはずです。ゴロツキじゃないことを証明するため、というのは、何も持たず底辺にいる彼の最後の尊厳であったと思います。
だから賞金をもらえば喜んで家を買いキャデラックを買い、妻に服を買う。そういう単純さが彼の魅力でもあるわけです。
ではそんな男がすべて手に入れてしまったらどうなるか、というのがパート3でした。
当然失うことが怖くなる。恐ろしいことにミッキーもいなくなってしまった。
エイドリアンはそのことを見抜いていたんですね。
ロッキーの「怖いんだ」という一言を言わせるために、彼女は砂浜で話しかけたのです。
ロッキーは一見陽気で単純な男に見えて、繊細で暗い部分もあり、陰気なエイドリアンは妙に前向きな部分もあり、そういう部分で2人はしっくりくる、2人でひとつの部分があったのではないかと思います。
まさに「映画史に残る良い夫婦」。
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