地底獣国

野性の眼の地底獣国のレビュー・感想・評価

野性の眼(1967年製作の映画)
3.1
ヤラセ上等のドキュメンタリー監督が刺激的な映像を撮るために常軌を逸していく様を描くドラマ。本作を撮ったパオロ・カヴァラはかつてグアルティエロ・ヤコペッティと仕事をしており、主人公パオロは彼をモデルにしているらしい。

パオロ(カヴァラ監督じゃなくて主人公の方)は倫理観が一般とはかけ離れているんで、当然こんな人と関わり合いになるのは願い下げだし、巻き込まれる人達は本当ご愁傷様なんだが、しかしやはり距離を置いて見る分には面白いから困る。更に言うと彼のことを、いわばエクスプロイテーション映画に魂を売った男として描いてるんで、なんなら鼻持ちならないインテリ白人至上主義者のヤコペッティよりかマシに見えてくるというマジック。

とはいえこんな人でなしの下衆野郎のどこに惚れてヒロインは夫を捨ててまでついて行ってるのかさっぱり分からんのでそこはノレなかった(また二人がイチャイチャしてる場面がやたらとあるんで映画のテンポも殺しているという…)。劇中ヒロインの口から「自分でも分からない」と言わせてるんでそれ以上突っ込む気にもならんが。

ついでに言うと本作の中で描かれる「ドキュメンタリー」撮影風景は大体「世界残酷物語」「続世界残酷物語」のエピソードを元に膨らませているが、最後の爆弾テロ云々の話は創作。ただし(以下コメント欄)
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